女性のための温泉冬旅
〜 癒しのくに熊野の絶品温泉につかる 〜
今回は熊野本宮近辺の温泉を中心としたテーマでお送りします。
2002.11.16
まず熊野詣は7日間の精進潔斎をし、出立は寅の刻。京都鳥羽から淀川を下り、摂津から陸路となり、 そこからは現在の42号線を大阪湾を右に見ながら、311号線(中辺路)を経て、熊野三山(本宮大社、速玉大社、那智大社)に詣でるルートが一般的であった。(正確には古道はちょっとずれているが。)
途中にある「・・・王子」は大阪から熊野まで99ヶ所あり、遥拝所、休憩所および宿泊所の役割を担っていたという。
貴賎を問わず難行苦行にも等しい熊野詣にかき立てられたのはなぜだろう。現代の四国巡礼とある一種似通った部分があるのではないだろうか。
そこには自己直視というか、魂(精神)の蘇りがあったのではないだろうか。そんなことを感じさせられる熊野である。
ここ熊野本宮温泉郷は湯の峰温泉、渡瀬温泉、川湯温泉の三つからなる。
湯の峰温泉は日本最古の温泉であり、小栗判官伝説や熊野詣の湯垢離場として、つとに有名である。川湯温泉は大塔川の川底から温泉が湧出することで、渡瀬温泉は露天風呂で、同じく人気がある。
車でそれぞれ10分程度で湯めぐりできることも、ここの魅力ではないか。
毎年11月〜2月末までの期間中は川湯温泉仙人風呂も用意されており、他に湯の峰温泉つぼ湯、薬湯、さまし湯など源泉の温泉めぐりは関西でも他に類を見ない。
冬は温泉三昧で楽しむのもよし、宿泊しておいしいものを食べるもよし。
宿泊して町中を散策すると、星の輝く夜空、魚の跳ねる音、虫の音などどれも新鮮な気持ちにさせられるのは私だけだろうか。そんな気持ちになるのも熊野特有の霊気のせいかも知れない。
熊野へまいらむと思えども
徒歩よりまいれば道遠し
すぐれて山きびし
馬にて参れば苦行ならず
空より舞いらむ
羽を賜べ若王子
後白河法皇
熊野古道にある野中の清水
京都から熊野詣では往復600kmの道のり、約一ヶ月を有す。そんななか、後白河法皇は実に34回の御幸を行っているのは特筆すべきだ。
湯の峰温泉 旅館あづまや
熊野本宮温泉郷へは奈良県五条市から168号線で約80km、もしくは阪和道御坊ICから42号線へ出て311号線に入れば残り40km。運転に自信のない方は、阪和道経由の方が道路が整備されており、安全であろう。
ここまで行くなら是非一泊したいという方は、
本宮町観光協会のオフィシャルサイトから宿泊先を見つけるのがよい。個人的には湯の峰温泉「あづまや」(癒しの風情抜群)もしくは「花や木の宿伊せや」(小洒落な感じ)をお勧めする。また、お手軽にという方には「川湯温泉アネックス山水館」(素泊り5000円ツインベット)がいい。他にもいい御宿がたくさんあります。探すのも楽しみのうちですから・・。